北緯78度・24時間真っ暗闇の最北の街―――スヴァールバル諸島
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| さよならスバールバル諸島 1/3帰国日。本当だったら「あﾞーまだ帰りたくねー！」と思うところなんだけど･･･。実は 「あﾞーどうしても帰りてえ！」 ってなことになってた。それはなぜか？？？ この日は猛吹雪という、こっちに来て以来の悪天候。「最終日こそはオーロラでも見られたらいいなあ」なんて言ってるどころじゃなかった。しかも、ここで知り合った他の宿泊客は「こんなに風が強くて視界が悪いと、欠航するかもしれないねえ」などと言う。ホテルのスタッフさえ「まだキャンセルは決まってないみたいね」と、これまた含みを持たせた言い方をする。こりゃあ、かなり不安になってきた。 実際に欠航となったらどうなる？？？ 頭の中でシミュレートしてみた。オスロからブリュッセルまで直接飛んじゃおうか、じゃあどの航空会社だろう？ ブリュッセル航空って言う格安系会社があったなあ、とか。そして、レセプション横のＰＣで調べてみたり。実際には片道１人１２００クローネ（約２万５０００円）で飛べるみたいだったが、それでも高い。それより、毎日運航ではないこの路線、今日欠航だったらいつ本土に到達できるんだろうか･･･それも分からない。 レセプション横のＰＣはいつしかトロムソ空港の発着案内ページが常時表示されていて、宿泊が入れ替わり更新しながら見入っていた。みんな心配なのね。 この日のオスロ発トロムソ経由のロングヤービーエン行きＳＫ４４２５便は、とりあえずオスロを発ったのは分かった。で、問題はトロムソから離陸するかどうか、そしてロングヤービーエンに着陸するかどうか･･･。トロムソ発は１２時１５分で、この時間が来てページを更新しても一向に「離陸済み」とならない。ひょっとしたら様子見？ それともキャンセル決定？？？ しばらくして「離陸したみたいだよ！」と誰かの声。いっせいに歓声が！ よし！よくやった４４１２便！ ページを更新すると、確かに離陸済みとなっていた。２０分程度遅れているようだった。あとは折り返しのＳＫ４４２５便が飛べるかどうかだ！ さてさて、ロングヤービーエンに着陸できることまで分からないけど、もうできるものと思って出発の準備。ホテルから空港までのアクセスはタクシーと路線バスの２通りがあって、私たちは路線バスを利用。他の宿泊客はあらかじめ予約したタクシーで空港に向かう人が多かった。 路線バス組はバスが着てから外に出ればいいと思っていたら、猛吹雪の中なんと外で待っていなければならない！ 運転手はいちいちホテルの中まで呼びに来ないのだ。空港シャトルではなく、あくまで路線バス。今日みたいな強風だろうと猛吹雪だろうと、外で地蔵のように･･･。 ホテル前１３時１５分発のところ、約１０分遅れでバスが来た。このときには待ち客全員、雪だるまのようになっていた。 |
 ▲こんな猛吹雪の中バスを待つ！  ▲吹雪が弱まったころにバス到着 |
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| 人生最北の地 単純に空港と街の往来しかしない場合、街より空港のほうが北に位置するので、人生最北の地に立つのなら空港周辺で、となる。ターミナル棟の南側に滑走路、北側に駐車場、と言う配置なので、ターミナル棟から駐車場に向かえば向かうほど最北の地となる。 こんな機会はまたとないので、こんな強風で寒いのに記念撮影に向かった。幸い、雪は止まっていたので、写真撮るのに障害はなさそう。 ターミナル棟から駐車場に降りる。駐車場の端は、空港に入るための道路。で、その向こうは暗くてよく分からないが多分、海。道路の際で写真をパチリ。でもあまりの強風でまっすぐ立つこともままならず、寒さと強風に耐えながらの撮影。終えたらソッコーで退散。「最北なんだ･･･」と感慨ふけるとか、もうそれどころではなかった。写真撮影で精一杯。 |
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| スカンジナビア航空ＳＫ４４２５便トロムソ経由オスロ行き 写真撮影をしてるとジェット機の轟音があたりに響く。オスロからの便はいつの間にか到着していた。無事着陸できたんだ･･･。ってことは、きっとオスロへ戻る便も運航するんだろうな。チェックイン手続きはガンガン行われていることだし。 チェックインはパスポートの提示を求められることなく、オスロのときと同じように簡単に手続き完了。セキュリティを通過すると、待ち合いロビーが広がっていた。テーブルとチェアの並び具合、なんだか学食かスキー場の食事処のよう。構内にはKioskがあって、みやげ物や軽食を買うことができる。でも座るところがないくらい混雑していたので、食べ物はやめておいた。 搭乗開始が案内される。そういえば、私たちは航空券を持っているが、もっていない人もいて、指紋のスキャニングだけすると感熱紙タイプの座席票がプリントされて搭乗できるようになっていた。ＳＡＳって人体認証だけで搭乗できるようになっているのか、すごいなあ。これができる対象はノルウェー人だけなのかもしれないけど。 感熱紙タイプの座席票は、私たちのように搭乗券を持ってもプリントアウトされて渡される。で、それと引き換えに搭乗券は回収され、半券も渡されない（オスロ発のときも同様だった）。感熱紙だけだと旅の記念としては味気ないので、半券はもらえないかと尋ねてみると、ちゃんともらえた。 このクソ寒い強風の中、機内まで歩いて搭乗。ご老人の方などヨロヨロしながら飛行機に向かう。手を貸してあげたけど、本当に過酷な所なんだなあ。帰りの日だけで痛感。 強風だろうが飛行機は無事に白い滑走路から離陸。窓にロングヤービーエンのオレンジの光が映り、横に揺れながら高度を上げ、やがて機体は安定した。 |
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| 何がなんだかよく分からないトロムソのトランジット 行きも帰りもロングヤービーエン便はトロムソを経由する1-stop便となっているが、途中降機の方法が行きと帰りで異なっていた。 まず、タラップで降機し、乗客は全員、旅客棟の最も左から建物に入る（行きはブリッジから降りて、そのまま待合いエリアで待機できた）。 このルートはどうやら国際便と同ルートのようで、建物に入ってすぐにパスポートコントロールのブースがある。ただし、入国官吏はおらず、そのままスルー。パスポートを見せるということはなし。 次に、なぜか受託荷物を受け取るターンテーブルがある。確か荷物タグは「ＯＳＬ（オスロ）」となっているので、オスロに行く人はここで受け取らず、オスロで受け取るのかな？ そんでもって、ここでは受け取りなしでそのまま先へ進んでもいいのかな？ だがしかし、乗客全員、自分の荷物・スーツケースがやってくるのを待っているようだ。大半がオスロに向かうはずなのに･･･？ あまり意味なく待ちぼうけて、フライトに乗り遅れるのも嫌だ。 なんだかよく分からない。たまたまベースキャンプホテルで一緒だった方（ノルウェー人）がいたので、聞いてみた。そしたら「オスロに行く人もここで一旦荷物を受け取るんですよ。複雑だよね」 受け取らず先に進まなくてよかった･･･。ターンテーブルはなかなか回転せず、ここでだいぶ待ったところで回転し始め、半信半疑で自分の荷物を待っていたら、本当にやってきた。 スーツケースを引き取り、先に進む。そしてチェックインカウンターでまた荷物をチェックインして（半券はここで再び見せる）、セキュリティチェックを受け、出発待合いエリアに出たころには、もう搭乗開始となっていた。お茶する時間すらない･･･。なんだかせわしない途中降機だった。 ロングヤービーエン発の時と同じ座席番号に座り、オスロに向けて離陸。オスロ空港では、これまたボーディングブリッジ利用ではなく、タラップによる降機だった。南下したとしても、寒いものは寒い。 |
 ▲トロムソ空港ではタラップで降機 |
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| トーンホテル・ガーデモーエン １９時３０分にオスロ空港に到着し、明日1/4の９時３０分にＫＬＭアムステルダム行きのフライト。オスロ市内に行くのはめんどくさいと思ったので、今日は空港周辺のホテルを予約してある。よって、今日のオスロは泊まるだけ。 本当を言えば空港から歩いてすぐのラディソンＳＡＳに泊まりたいが、ここはすごく高くて１泊３万円もする。ここ以外だと、車で５分程度のところにノルウェー系チェーンホテルが点在していて、空港シャトルバスで結ばれている。 シャトルバス、と言うより実際は路線バスのようだったが、空港を出てすぐのバス停から発車している。Ｂ２５バス停から、今日泊まるトーンホテル・ガーデモーエンに向かうＳ２２番バスに乗車する。路線バスタイプなのに車内にはスーツケース置き場がちゃんとあり、で、大きなスーツケースを持ち込むのに心配なかった。 ５分程度で最初の停車であるトーンホテル・ガーデモーエンに到着。 トーンホテルはノルウェー資本のチェーンホテルで、オスロ市内や各地方都市に展開している。最高級クラスからバジェット系まで３つのカテゴリに分類され、ここガーデモーエンはバジェット系、つまり最も安い部類に区分されている。それでも決して安くはないんだけど、ノルウェーの水準からするとかなり安い。 中に入ると、なんか今までのホテルと違う。全体デザインとか、チェアなどの調度品ひとつとっても「なるほどこれが北欧デザインかあ」という印象。 建物は２階建ての宿泊棟がいくつかあり、それらが廊下でつながれている。まるで月面基地のようだ。 まず入室。入って明かりをつけてもなんだか暗い。電気スタンドが１つあって、スイッチをいじってもぜんぜん点かない。よーく見ると、電球が丸ごとなくなっていた。これが安いホテルということ？ ホテル全体もそうだと思ったけど、部屋はかなりシンプル。泊まるだけに特化したかのよう。このクラスだとあってもいいような冷蔵庫がなかった。ライスプリン買って、明日食べようと思ったのに･･･。ほか、電化製品であるのはテレビ（目覚まし機能つき）、ドライヤ、電話機だけ。テレビが液晶だったのは、これだけで新しいホテル？っていう印象を持った。 ＬＡＮ設備は部屋になく、レセプション横にＰＣが２台あってこちらでインターネットが無料で利用できる。ただし日本語表示はまたしても不可。 バスルームは広く、でもバスタブがなくてシャワーブースがある北欧定番スタイル。バスタブ置くスペースは絶対あると思うんだけど･･･。  特筆したいのは調度品のデザイン。チェアなど、かなり凝っている。しかも、チェアは３つあってそれぞれデザインがぜんぜん違う！ 何らかのポリシーなのかな？ そんなことで、空港トランジットで利用するだけなら十分満足のいくものだと思った。 |
Ｓ２２系統は、空港→トーンホテル・ガーデモーエン→トーンホテル・エアポート→リカホテル・ガーデモーエン→クオリティ・エアポートホテル の順に停車します。 Ｓ３３系統は、空港→空港駐車場→ノーランディア・オスロエアポート の順に停車します。 Ｓ４４系統は、空港→クラリオンホテル の順に停車します。 バスには系統番号と行き先が表示されます。スーツケースは車内に持ち込みます。スーツケースがいくつも置けるスペースがあります。
 ▲トーン・ガーデモーエンのロビー  ▲赤が基調の室内 |
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■旅行記 編 |
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